2010年8月アーカイブ

しかし、1978年の後半から79年にかけて、再び第二次オイル・ショックがおこり、日本の経済はもう一度混乱します。


その混乱のいちばん大きな原因が、日本の経常収支が再び赤字に転落することでした。


そこで輸出を回復させ、輸入を節約する政策がより一層強力に展開されました。


輸出の点では、エネルギーや原材料に依存しない技術集約型の商品がその中心になり、従来の鉄鋼や造船に代わってテレビ、ビデオ、コンピュータなどの情報関連電気機器が主力商品となりました。


他方、少しでも貿易赤字を縮小するため、省エネルギー、省資源の技術開発と節約運動が強力に展開されました。


それまでGNPの伸びに対するエネルギー消費弾性値は2近くであったのですが、たちまちのうちに1を切るようになりました。


1987年には0.5程度になりました。


ここでいう弾性値は、GNPの伸びに対するエネルギi消費の伸びの割合のことで、1より大きければエネルギー消費が大きく、弾力的であり、1より小さければ節約が進行していることを意味します。


こうして貿易赤字を解消しました。


日本の経常収支が本格的に黒字になったのは、じつはそれほど以前からではありません。


物価は狂乱的に高騰しました。


賃金も追随して急騰しました。


消費者物価は1973年には11.7%、1974年には24.5%も上昇し、賃金も2ケタ上昇を記録しました。


そこでまた、日本の経済はこのナイル・ショックに対応すべくいろいろな調整と対応を行ないます。


具体的には変動相場制への移行と石油価格の高騰によって赤字に転落した経常収支を均衡化させ、さらに黒字をいくぶんでもつくることに政策の重点が移るようになりました。


物価・賃金の抑制、省エネルギー・省原料の技術開発、高付加価値品の輸出の促進などによって、そのことがある程度成功するのが、1977~78年にかけてです。


最も大きなオイル・ショックを受けた日本経済が、じつは他の国よりいち早く回復をしたことはひとつの驚異でした。


インフレはいち早く高進しましたが、鎮静も最も早く見事でした。


このときのインフレ抑制がその後の日本経済の強さ(とくに国際的にみて)の基礎になったといえるでしょう。


この点の評価は日本人のあいだでも十分でないようです。


もっとも、イソフレ抑制策はいつまでも国民から歓迎されるようなものではありませんし、物価を抑えて当然という感じをもっていますが、これは大変な仕事なのです。


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