ケーブルカーで170m直下の渓流沿い露天風呂に行く祖谷温泉は、紹介し尽くされた感がある。
休日前にもなると全長220m、斜度42度の崖をコトコトと降りて行くケーブルカー待ちの人で混雑するが、この乗車定員によって湯の良さが守られているのかもしれない。
湯温39・2度、硫黄分濃厚な湯の湧出量は毎分1500L。
これは福島県の芹沢温泉と同じで、湯舟から溢れた湯が直径20㎝もの円柱状になって渓流へ落下するさまは、まさに豪快。
加熱してもっと大きな露天を造れるはずだが、天然のまま使用しているところがいい。
湯は外から見ると少し白濁しているように見えるが、よく観察するとこれが細かい気泡。
体中の産毛にからみついて真っ白になるほどの気泡を含んでいる。
また湯の中に木炭の切れ端のようなものが浮遊しているが、ゴミではない。
実はこれ、源泉深部の炭化物なのだ。
何千、いや何万年前から地中に眠る炭化物を押し出しているのだろう。
まさに温泉のロマンである。
口に含むとほんのり甘く、強いタマゴ臭もあって新鮮な湯とわかる。
人気の通り、実力は四国一といっても過言ではない。